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小沢健二「それは、「自己責任」という言葉でした。」

 
 
 
小沢健二-うさぎ
人には、動物たちや、山や、神々の痛みさえ、「そんなもの関係ないよ」と切り捨てるのではなく、「自然を大切にしましょう」とアタマで考えるのでもなく、自分のお腹の中にある、正直な痛みとして、「ああ、これはひどい」と感じとる。(中略)

つまり、ある人が、貧しいものなどをみて、「ああ、見ているこっちのお腹の仲間で痛むようだ。どうにかしなくては。」と思うと、手を差しのべずにはいられなくなって、その差しのべられた手によって、人と、まわりの者や自然が、つながっていくのでした。


そうやって人をまわりの者や自然とつなげている「親切」を、人の心の中から追い出していくために、灰色は、言葉をつくるのが上手い手下たちを使って、1つの言葉をつくり上げました。

それは、「自己責任」という言葉でした。

「自己責任」という言葉を心に叩きこまれると、人は、苦しんでいる人を見かけても、「あそこに苦しんでいる人がいるが、あれは自己責任で、私が感じる必要はない苦しみだ」と思うようでした。

ということは、「自己責任」という考え方を人の心に叩き込むことによって、まるで除草剤を撒くように、雑草のように生えてくる「親切」という行いを、根絶やしにすることができるはずでした。

けれど、人は、長いあいだ、貧しい人や、死者や、動物たちの痛みを、いつも感じとって、親切をして、生きてきたのでした。その親切を失って、人がどうやって生きていくかは、「自己責任」という言葉をつくった手下たちにもわかりませんでした。

小沢健二「うさぎ!」
季刊「子どもと昔話」27号より

小沢健二 うさぎ!第3話 - 言葉の洪水

全編読みたい。

ネット上に散らばる最近の小沢健二の言葉を拾い読みしてみた。一部のマスメディアに"エコの烙印"を押されている彼だけど、どう考えても単に"エコ"ではなく最近ほころびが顕著な僕らの「社会システム」に対する疑問や、大衆操作に対する問題提起を投げかけているとしか思えないんだけど、その辺が当事者の方々に不評だったんだろうか。

この「うさぎ!」と言う小説(童話?) は季刊「子どもと昔話」で連載されていたもので、後にふみひよ出版部という小沢健二独自出版から単行本として出ているらしく、ライブ会場で売っているとの情報も。

Amazonとかで販売してくれないのかな... e宅っていう良いシステムがありましてね (略)

それにしても「童話」という人間生まれて初めて接するメディア、教育にアプローチするっていう所に彼の真剣味を感じる。音楽産業に対する"新しくて昔ながらの試み"について、そしてゴシップについても綴った、いまの小沢健二の考え方ふみひよに関するお問い合わせをしてくださった、各方面のみなさまへ (2010.2.16)」は必見だと思う。

小沢健二
もっと評価されるべき。


心を歌いながら同時に直面する残酷な社会現実とどう向き合うのか、華々しい舞台から降りたあとに何をしてきたか。そして残ったブランドと財産を何に使ってきたのか。アーティストの真価が、問われる、もしくは可視化される場所はそこだったりするのかなとふと思った。

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